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誰も住まない実家の庭は、家より先に苦情になる|草刈りと庭木を、どの頻度で誰に頼むか

公開日:2026年8月23日カテゴリ:空き家監修:田中駿一(遺品整理士)
誰も住まなくなった実家で、最初に近隣から声が上がるのは建物ではなく庭です。
雨戸が閉まっていることに苦情は来ません。ただ、伸びた草と、隣家に越えた枝には来ます。そしてそれは、月に一度通っていても起こります。草と枝は、こちらの都合と関係なく伸び続けるからです。
この記事では、年に何回手を入れれば足りるのか自分でやる場合と頼む場合の分かれ目費用が何で決まるのかを整理します。片付けや家の行き先を決める前でも、庭だけは先に手を打てます。

庭が先に問題になる理由

家の中は、扉を閉めていれば外から見えません。庭は、閉められません。

  • 見た目ですぐ分かる ── 空き家であることが、道路から一目で伝わります
  • 境界を越える ── 草の種、伸びた枝、落ち葉。隣家の敷地に届きます
  • 生き物が住む ── 蜂の巣、蚊、ねずみ。苦情の中身がここから変わります
  • 視界を塞ぐ ── 生垣が伸びると、道路の見通しに関わることがあります

そして、いちばん起きてほしくないのはこれです。庭が荒れている家は、「誰も見ていない家」として扱われます。不法投棄・立ち入りは、そこから始まることがあります。放置した場合に起きることの全体像は、下の関連記事に整理しています。

逆に言えば、庭さえ整っていれば「管理されている家」に見えます。中を片付けきれていなくても構いません。外から見える部分だけを保つ、というのは十分に有効な手です。

年に何回やれば足りるか

毎月は要りません。草の伸びる時期は偏っているためです。

  1. STEP1|初夏(5〜6月):ここでいちばん伸びます。年に1回しかできないなら、この時期です
  2. STEP2|夏の終わり〜初秋(8〜9月):2回目。蜂の巣ができていないかも、このときに確認します
  3. STEP3|落葉のあと(11〜12月):落ち葉の処理と、庭木の枝を落とす時期。樹種によって適した時期が違います 要確認

多くの家は「年2回」で保てます。庭が広い、樹木が多い、竹が生えている場合は回数が増えます。竹と葛(くず)は、他とまったく別の相手だと考えてください。放っておくと年単位で範囲が広がります。

自分でやる場合/頼む場合

状況自分で頼む
草だけ・広さが限られるできる
近くに住んでいて、道具を置けるできる
遠方で、年に数回しか行けない難しい頼む
脚立が要る高さの枝頼む
隣家・道路にかかる木頼む
蜂の巣がある頼む(触らない)
刈った草の処分先が無い難しい頼む

分かれ目は「高さ」と「処分」です。草を刈ること自体は難しくありませんが、刈ったあとの草をどうするかで詰まります。自治体の集積所に出せる量には限りがあり、まとめて出すことはできません 要確認

高いところの枝は、無理をしないでください。脚立からの転落は、実家の作業で実際に多い事故です。「今日中に終わらせる」を優先しないこと。庭は、来月でも間に合います。

費用は何で決まるか

金額は業者と地域で幅がありますが、決まり方は共通しています。

要素費用への効き方
面積基本。広さで見積もる業者が多い
草の丈伸びきっているほど高くなる。機械が変わるため
刈った草の処分別料金のことが多い。ここが見積もりの差になりやすい
庭木の本数・高さ1本ごと、または高さの区分で計算
搬入経路機材を入れられないと手作業になる
回数の契約年間で決めると1回あたりが下がることがある

いちばん効くのは「伸ばしすぎないこと」です。丈が高くなるほど作業も処分量も増えるため、年2回のほうが、2年ぶんまとめて1回より安くなることがあります。具体的な金額は必ず現地を見た見積もりで確認してください 要確認

隣に越えた枝の扱い

ここは順番を守ってください。

  • 自分の敷地から越えている枝 ── こちらで切ります。苦情になる前に
  • 隣から越えてきている枝 ── 黙って切らない。まずお隣に伝えるのが先です
  • 切った枝の落ち先 ── 隣家の敷地に落ちないよう、作業の前に一声かけておくと後が違います

空き家は、こちらが不在の間に話が進みます。連絡先を伝えておくかどうかで、苦情の届き方が変わります。近隣への伝え方は関連記事にまとめました。

頼むときの手順

  1. STEP1|写真を撮る:庭全体・いちばん伸びている場所・気になる木を、それぞれ1枚。遠方でも、これで概算が取れます
  2. STEP2|「刈るだけ」か「処分まで」かを決める:ここを言わないと見積もりが比べられません
  3. STEP3|2社以上に聞く:同じ条件を伝えて比べます
  4. STEP4|立ち会えるかを伝える:立ち会えない場合は、作業前後の写真を送ってもらえるかを確認します
  5. STEP5|次回の時期を決めておく:終わったその場で決めると、伸ばしすぎを防げます
お住まいの市区町村に、空き家の管理や庭木に関する相談窓口・助成が用意されていることがあります 要確認依頼を決める前に、一度確認してみてください。制度の有無と内容は自治体によって大きく異なります。

よくある質問

年に1回では足りませんか。

庭の広さと樹木の数によります。草だけであれば、初夏に1回でも、見た目はかなり保てます。ただし夏の終わりに一度見ておくと、蜂の巣や越境した枝を早く見つけられます。

刈った草は、自治体のごみに出せますか。

出せる場合と出せない場合があり、量の上限も自治体で異なります 要確認。まとめて大量に出すことは、まず認められません。業者に頼む場合は、処分まで含めるかを最初に決めてください。

庭木を全部伐ってしまってもいいですか。

手入れは楽になりますが、伐採は元に戻せません。家の行き先(残す・貸す・手放す)が決まっていない段階では、まず高さを抑える程度にとどめるのが安全です。ご家族の中で思い入れのある木がある場合もあります。

蜂の巣を見つけました。

近づかないでください。ご自身で対処せず、市区町村の窓口か専門の業者に相談してください 要確認。空き家では、人が来ないぶん巣が大きくなっていることがあります。

遠方に住んでいて、様子が分かりません。

写真を送ってもらえる形にしておくのが現実的です。業者に依頼する際、作業前後の写真をお願いしておけば、行かなくても状態が分かります。年間で契約すると、その都度の連絡が省けます。

まとめ

  • 空き家で最初に問題になるのは建物ではなく庭
  • 年2回(初夏・夏の終わり)で保てる家が多い
  • 自分でやるか頼むかの分かれ目は「高さ」と「刈った草の処分」
  • 費用は面積・草の丈・処分の有無で決まる。伸ばすほど高くなる
  • 越境した枝は、こちらから切る。隣から来た枝は先に伝える
  • 庭が整っていれば「見ている家」に見える。中が途中でも構いません
本記事は、空き家の庭の管理について当サイトが確認した時点の一般的な進め方を整理したものです(確認日:2026-08-23)。草木の処分方法、助成や相談窓口の有無、庭木に関する取り扱いは市区町村によって異なります 要確認費用は現地を見た見積もりでご確認ください。高所での作業、蜂の巣の駆除は、ご自身で行わず専門の業者へご相談ください。

片付けや家の行き先がまだ決まっていない段階でも構いません。ご実家の場所と、庭の広さ・通える頻度をお聞かせいただければ、今やっておくべきことと、後回しでよいことを一緒に整理します。

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