どれも「まだ使える」ので、捨てる判断がつきません。そこで多くの家族が「もったいないから、みんなで使い切ろう」と決めます。
結論を先に書きます。その決め方をすると、買い置きは最後まで残ります。買い置きは「使い切る」ではなく、「持ち帰る量を先に決めて、残りは出す」で進めてください。
なぜ買い置きは最後まで残るのか
衣類や食器は「着るか」「使うか」で分けられます。買い置きの日用品はそこが効きません。未開封で、傷みもなく、いつかは必ず使うものだからです。
- ひとつずつは軽くて小さい。だから後回しにされ、気づくと部屋の隅に段ボール何箱分も寄せられています
- 捨てる理由が見つからない。壊れていない、汚れていない、期限もはっきりしない
- 家族全員が「少し持って帰る」と言う。ところが誰も量を決めていないので、結局だれも持って帰りません
- 親が「買っておいてくれた」ものに見える。とくに離れて暮らしていた子どもほど、手を付けにくくなります
もうひとつ、見落とされがちな理由があります。同じものが大量にあること自体が、親の暮らしの変化を映している場合があることです。まだ親が実家に住んでいるなら、片付けより先に、普段の暮らしぶりに変わったところがないかを家族で見てください。
5つに分ける
一つずつ「使うか」を考えるのをやめて、5つの山に積んでいきます。判断に使うのは、開いているかどうかと何に入っているかだけです。
| 山 | 入るもの | この山をどうするか |
|---|---|---|
| ① 未開封の日用品 | 洗剤、柔軟剤、ティッシュ、トイレットペーパー、ラップ、ごみ袋、歯ブラシ、電球など袋や箱が開いていないもの | 持ち帰る分を先に抜き、残りは出す山。いちばん量が出ます |
| ② 使いかけのもの | 開いた洗剤・漂白剤、半分残ったシャンプー、使いかけのティッシュ箱 | 持ち帰らない山。液体は出し方を調べてから動かします |
| ③ 箱入りの贈答品 | タオル・石けん・シーツの詰め合わせ、のし紙が付いたままの箱 | 開けずに寄せる山。値が付くかどうかは後でまとめて聞きます |
| ④ 取っておいたもの | 紙袋、包装紙、空き箱、輪ゴム、保冷剤、割り箸、ビニール袋の束 | ほぼ全部出す山。片付け当日の資材に一部だけ回します |
| ⑤ 中身の分からない缶・容器 | ラベルがはがれた容器、スプレー缶、殺虫剤、古い乾電池、ボンベ | 他の山に混ぜない山。自治体の出し方が別になることが多いものです |
迷ったら①ではなく②に入れてください。未開封かどうかがはっきりしないものを持ち帰ると、家で開けてから困ります。
持ち帰る量は、車に積める箱の数で決める
「欲しい人が欲しいだけ持って帰る」は、ほぼ必ず失敗します。欲しい量は誰にも分からないからです。決めるのは量ではなく、入れ物の数です。
- 持ち帰る人を決める……「誰か」ではなく名前で決めます
- 一人あたりの箱の数を決める……段ボール1箱まで、など車や手荷物に確実に載る数にします
- その日のうちに箱に詰めて、車に積む……「次に来たときに持って帰る」はしないでください
- 箱に入らなかった分は、①の山ごと出す……ここで迷い直さないのが大事です
遠方から通っている場合はとくに、宅配で送る前提にしないほうが無難です。送る手配をしているうちに、買い置きの片付けだけで一日が終わります。
使いかけの液体と、中身の分からない缶
②と⑤は、量よりも出し方で詰まる山です。慌てて流しに捨てたり、燃えるごみに混ぜたりしないでください。
- 使いかけの洗剤・漂白剤を、まとめて排水口に流さない。種類の違うものを続けて流すと、混ざってはいけないものが混ざることがあります
- 中身が残った容器の出し方は、自治体によって違います。中身を使い切ってから出す、紙や布に吸わせて出す、など決まりが分かれます
- スプレー缶・ボンベは、穴あけの要否も自治体で分かれます。自己判断で穴を開けないでください
- ラベルのはがれた容器は、無理に開けてにおいを確かめない。ふたを閉めたまま⑤の山に置きます
⑤の山は、片付けの最後まで残りやすいものです。自治体の通常の収集で出せないものが混ざるからです。スプレー缶や乾電池、灯油などの出し方は 実家の片付けで最後まで残るのは、自治体が引き取らないものです|灯油・スプレー缶・消火器・塗料の出し方 を参照してください。
箱入りの贈答品は、開けずに寄せる
③の山は、開けて中身を確かめ始めると止まります。のし紙を外し、箱を開け、タオルの柄を見て「これは使えそう」と考え始めると、それだけで午後が終わります。
| 見るところ | 引き取り手が見つかりやすい側 | 見つかりにくい側 |
|---|---|---|
| 箱 | 箱が残っていて、へこみや汚れがない | 箱が無い・潰れている |
| 中身 | 未開封で、変色やにおいがない | 黄ばみ・しみ・においがある |
| そろい | 詰め合わせがそろったまま | 一部だけ抜かれている |
| しまってあった場所 | 湿気の少ない棚 | 押入れの下段・床に近い場所 |
長くしまい込まれたタオルや寝具は、箱の中で黄ばんでいることがあります。ただしそれを片付けの当日に一つずつ確かめる必要はありません。箱のまま③に寄せて、数だけ数えておいてください。「贈答品の箱が20箱ほどあります」と伝えられれば、見てもらうかどうかは相手が判断できます。
値が付くかどうか、誰に見てもらうかの分かれ方は 実家の片付けで出たものを売るなら、誰に頼むのか|片付け業者・買取業者・リサイクルショップの違いと、頼む順番 を参照してください。贈答品だけのために別の日を立てるより、他の品とまとめて一度見てもらうほうが、手間はずっと少なくなります。
進める順番
- 洗面所・台所の下・廊下の棚・押入れを全部開けて、買い置きを一か所に集める……場所ごとに分けて考えない
- 5つの山に分ける……迷ったら②へ
- ⑤の山を、他と離れた場所に置く……混ざると後で探し直すことになります
- ④から、当日の資材に使う紙袋と段ボールだけ抜く
- 持ち帰る人と箱の数を決め、その日のうちに詰めて積む
- ③の箱の数を数えて、見てもらうかどうかを決める
- 残った①②④を、自治体の区分に合わせて出すか、片付け業者の作業にまとめて入れる
7番で「自分たちで出すか、業者に入れるか」を決めるときは、量と期限で考えてください。ごみの日に合わせて少しずつ出せる量なのか、明け渡しの日までに間に合わないのか。その分かれ目は 実家の片付けで出たごみは、自治体と業者のどちらに出すべきか|量と期限で決まります にまとめています。
よくある失敗
- 「使い切ろう」と決めた。実家に通うたびに少しずつ使ったが、半年たっても棚は埋まったままだった
- 「欲しい人は持って帰って」と言った。誰も量を決めず、結局だれも持って帰らなかった
- 持ち帰りを「次に来たとき」にした。次に来たときには、業者の作業日が迫っていた
- 紙袋と段ボールを全部出した。当日、小物をまとめる入れ物が無くなった
- 使いかけの洗剤を、まとめて流しに捨てた。においが強く出て、作業を中断した
- 贈答品の箱を一つずつ開けた。のし紙と包装紙のごみが増え、その日は箱だけで終わった
よくある質問
未開封の日用品を、どこかに寄付できませんか。
受け付けている先はありますが、品目と状態の条件が先方ごとに決まっています。受け付けていない品目を送ると、相手の手間になります。寄付を考えるなら、送る前に先方の受け付け条件を確かめてから箱に詰めてください。条件を調べる時間が取れないなら、無理にこの出口を選ばず、持ち帰る分を増やすか出すほうが早く終わります。
トイレットペーパーやティッシュは、片付けの間に実家で使えばいいのでは。
片付けの期間中に使う分だけ、別に一袋よけておくのは正解です。ただし、それ以上を「期間中に使う」として残すと、最後まで残ります。よけるのは作業日数に見合う分だけにして、残りは最初の日に①の山で決めてください。
親がまだ実家に住んでいて、買い置きを減らしたがりません。
減らす話ではなく、「どこに何があるか分かるようにする」話から始めてください。同じものを何度も買ってしまうのは、しまった場所が見えないことが一因になっている場合があります。種類ごとに一か所へ集めて、見える棚に置き直すだけでも、増え方が変わることがあります。捨てるかどうかは、そのあとで構いません。
紙袋や包装紙は、本当に全部出してしまっていいのでしょうか。
当日の資材に使う分を残せば、あとは出して困ることはほとんどありません。親が大事に取っておいたものなので気が引けるかもしれませんが、紙袋はこれから先も生活のなかで入ってきます。残すなら「この一袋に入る分だけ」と入れ物で決めてください。
遠方で、実家に行ける日が限られています。
行ける日には「集める」「5つに分ける」「持ち帰る分を積む」の3つだけを済ませてください。そこまで終われば、残った山の出し方は電話とメールで決められます。山ごとに写真を撮っておくと、離れていても家族や依頼先と話ができます。
買い置きや贈答品を含めて、実家の片付け全体をどう段取りするか決めたい場合は ご相談の窓口 からお気軽にお問い合わせください。
ご状況をうかがって、進め方と費用の目安をお伝えします。
