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実家の食器は、量ではなく「重さ」で行き詰まります|割れ物の出し方と、売れるもの・売れないもの

公開日:2026年9月8日カテゴリ:未分類監修:田中駿一(遺品整理士)
実家の片付けでいちばん先に手が止まるのが台所です。衣類のように畳んで積むこともできず、本のように紐で縛ることもできません。
理由ははっきりしています。食器は、重いのに割れるからです。45リットルの袋に詰めると、たいてい持ち上がらないか、途中で底が抜けます。
結論を先に書きます。台所は「捨てるかどうか」で分けると進みません。「運べるかどうか」で分けてください。
この記事では、3つに分ける手順、自治体が引き取らないもの、売れるものと売れないもの、割れ物を安全に出す梱包を順に整理します。

台所が最後まで残る3つの理由

片付けの現場で、台所は後回しにされたまま最終日に残ります。先延ばしにしているというより、構造的に手がつけにくいところです。

  • 重い。食器は1枚が軽くても、棚1段でかなりの重量になります。袋の容量ではなく、持ち上げられる重さで上限が決まります
  • 割れる。割れると出し方が変わり、袋も破れます。収集する方が怪我をする恐れもあります
  • 種類が混ざっている。陶磁器・ガラス・金属・プラスチック・刃物・家電が、同じ棚に一緒に入っています。分別の判断が1枚ごとに変わります

量そのものは衣類のほうが多く出ます(実家の片付けで、いちばん量が出るのは衣類と布団です)。台所が大変なのは、量ではなく重さと分別の細かさです。同じ進め方をすると必ず詰まります。

まず3つに分ける(捨てる判断はしない)

棚から出すときに、「これは要るか」を1枚ずつ考えないでください。台所は点数が多いので、そこで止まると1日が終わります。

  1. 持ち帰るもの。今日、自分の車に載せて持って帰るものだけ。「いつか取りに来る」は数に入れない
  2. 値段が付くかもしれないもの。箱に入ったまま/未使用/作家名や窯元の記載があるもの。迷ったらこちらへ
  3. 出すもの。上の2つ以外すべて。ここは1枚ずつ見ません
いちばん時間を取られるのが「引き出物の箱」です。実家の押し入れや床下から、未開封のまま何十箱と出てくることがあります。開けて中身を確かめる作業を、片付けの当日にやらないでください。箱のまま②に寄せ、後日まとめて見るほうが早く終わります。
手をつける部屋の順番そのものに迷っている場合は 実家の片付けはどこから手をつけるか をご覧ください。

出し方は、素材で分かれます

台所から出るものは、見た目が似ていても区分が違います。代表的なものをまとめました。

もの扱いの目安
茶碗・皿・湯のみ(陶磁器)燃えないごみとして出せる自治体が多い。割れたものは新聞紙で包んで「キケン」と表示
コップ・耐熱ガラス陶磁器と同じ扱いのことが多い。ただしガラスびんとは別区分。混ぜない
鍋・フライパン・やかん金属。一定の大きさを超えると粗大ごみになります
包丁・ハサミ・串厚紙で刃を包んでから。表示の仕方は自治体で決まっています
土鍋・重箱・すり鉢重い割れ物。1つずつ包む。まとめて袋に入れない
保存容器・タッパープラスチック。中身が残っていると区分が変わります。空にしてから
電気ケトル・炊飯器・電子レンジ小型家電。自治体の回収ボックスや粗大ごみ。台所ごみの袋には入りません
食器棚・レンジ台家具。粗大ごみ。中身を出してからでないと運べません

区分の名前も、出せる大きさも、自治体ごとに違います。「燃えないごみ」という区分が無い市区町村もあります。実家のある市区町村の案内で、必ず確認してください。自治体に出すか業者に頼むかの分かれ目は 実家の片付けで出たごみは、自治体と業者のどちらに出すべきか にまとめました。

そのまま袋に入れてはいけないもの

台所からは、普通のごみに出せないものが必ず出ます。ここを分けずに袋に入れると、収集されずに残るか、事故につながります。

  • カセットボンベ・スプレー缶。台所の引き出しの奥から出てきます。中身を使い切ってから、自治体の決まりに従って出す
  • 消火器。台所に置いてある家が多いものです。多くの自治体では引き取りません。専用の窓口があります
  • 食用油。液体のまま出せません。固めるか、紙に吸わせてから出します
  • 灯油。紙や布に吸わせて捨てるのは引火のおそれがあるため、やめてください。給油所や販売店に引き取りを相談します
  • 包丁・割れた食器。包んで、中身が分かるように表示する
  • 電池・ライター。まとめて出てきます。ライターは中身を使い切る決まりの自治体が多い
自治体が引き取らないものの出し方は、実家の片付けで最後まで残るのは、自治体が引き取らないものです に一覧でまとめてあります。台所と物置から出るものは、ここが重なります。先に読んでおくと、当日に手が止まりません。

売れるもの・売れないもの

期待と現実がいちばん食い違うのが、ここです。「良い食器だから」は、値段が付く理由になりません。買い取る側から見ると、判断は次のように分かれます。

値段が付きやすい付きにくい
箱・付属品がそろった未使用品使用済みで箱が無いもの
ブランドの洋食器(刻印あり)ノーブランドの和食器
作家名・窯元の記載がある器記載が無い、または読み取れないもの
そろいで枚数が残っているもの1枚だけ欠けたセット
漆器・銀器・酒器(状態が良いもの)欠け・ひび・金彩のはがれがあるもの
  • 洗ってから見せる。汚れたままだと状態が判断できず、まとめて対象外にされることがあります
  • 箱を捨てない。食器そのものより箱の有無で扱いが変わります
  • 1枚ずつ売ろうとしない。実家じまいではまとめて見てもらうほうが早く終わります

割れ物の詰め方(この順番でやると軽くなります)

  1. 箱は小さいものを使う。みかん箱ほどの大きさが上限です。大きい箱は、詰めた瞬間に運べなくなります
  2. 底に新聞紙を敷く。そのまま置くと、底から割れます
  3. 皿は立てて入れる。平らに重ねると、下の1枚に全部の重さがかかります
  4. 1枚ずつ包まない。2〜3枚を新聞紙でまとめて包めば十分です。全部を個包装すると終わりません
  5. すき間に紙を詰める。動かなければ割れません
  6. 箱の外に「食器・重い」と書く。運ぶ人が分かるようにします
  7. 持ち上げて確かめる。片手で持てなければ入れすぎです。減らしてください
紙は現地で買わないでください。実家に古新聞があればそれで足ります。無ければ、行く前に用意して持って行くものです。当日に買いに走ると、それだけで半日が終わります。

自分で出すか、頼むかの分かれ目

台所は、「自分でやったほうが安い」が成り立ちにくい場所です。判断の目安は3つあります。

  • 収集日に自分がいられるか。遠方から通っている場合、出せる日が月に何回あるかで上限が決まります
  • 運べる人が何人いるか。食器の箱は、階段があると1人では下ろせません
  • 期限があるか。引き渡しや解体の日が決まっているなら、間に合う量かどうかで決めます

1つでも当てはまらないなら、台所だけを業者に頼むという分け方もできます。家全体を任せる必要はありません。食器と食器棚だけ、という頼み方は珍しくないものです。

食器はどれくらいの量が出るものですか

家によって大きく違いますが、台所の棚と食器棚を空にすると、段ボールで数箱から十数箱になることが多いところです。数を数えるより、「棚1段でみかん箱1つ」と考えて箱を用意するほうが実際に合います。足りないより余るほうが困りません。

使いかけの調味料や食品はどうすればいいですか

中身と容器を分けるのが原則です。液体はそのまま出せません。油は固めるか紙に吸わせ、瓶や缶は洗って区分ごとに出します。ここは量が少なくても時間がかかるので、片付けの初日ではなく、水道が使えるうちにやってください。

まだ使える食器を捨てるのに抵抗があります

その気持ちは、無理に消さなくて構いません。ただし「使えるか」と「誰かが使うか」は別の問いです。実家の食器は、多くの場合引き取り手を探す時間のほうが高くつきます。どうしても残したいものだけを数を決めて持ち帰る——という決め方にすると、進みます。

食器棚は空にしないと運べませんか

はい。中身が入ったままでは運び出せません。ガラス扉が割れる恐れもあります。棚は最後です。中身を出し切ってから、粗大ごみか業者かを決めてください。

包丁は、まとめて何本も出していいですか

本数の制限は自治体によって異なります。まとめて出すときも1本ずつ厚紙で刃を包むのが基本です。実家からは、使っていない包丁が3〜5本まとめて出てくることがよくあります。まとめて厚紙でくるみ、外に表示してください。

掲載内容は当サイトが確認した時点のものです(確認日:2026-09-06)。ごみの区分・出し方・受け入れの可否・費用は自治体や事業者によって異なり、変更されることがあります。作業の前に、実家のある市区町村と各業者の公式の案内で最新の情報をご確認ください。

まとめ

  • 台所は「捨てるか」ではなく「運べるか」で分ける。1枚ずつ考えない
  • 分けるのは3つだけ。持ち帰る/値段が付くかもしれない/出す
  • 区分は素材で変わる。陶磁器・ガラス・金属・プラスチック・小型家電は別扱い
  • カセットボンベ・消火器・油・包丁は、そのまま袋に入れない
  • 値段が付くのは箱つき・未使用・そろい・記載のあるもの。「良い食器だから」ではない
  • 箱は小さく、皿は立てて、片手で持てる重さまで
この記事は、実家じまいの現場でよくある判断のつまずきをもとに、実家じまいナビ編集部が構成しました。ごみの区分・受け入れ可否は自治体によって異なるため、実際の作業前に各市区町村の案内をご確認ください。

台所の量を見て、自分たちで出しきれるか迷っている場合は ご相談の窓口 からお気軽にお問い合わせください。

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