①重い ②売れる気がする ③価値が自分では分からない。この3つがそろうと、手が止まります。実際、家じゅうが片付いても書斎と本棚だけが最後まで残るのは珍しくありません。
結論を先に書きます。本は「読むかどうか」で分けないでください。読むかどうかは、その場では決まりません。分けるのは「運び出し方」です。売る・古紙で出す・業者に任せる・持ち帰る。この4つのどれで家から出すかを先に決めると、1冊ずつ悩まずに進みます。
なぜ書斎だけが最後まで残るのか
片付けが止まる場所には理由があります。本の場合はこうです。
- 重い。段ボール1箱に詰めると、一人で持ち上げるのが難しい重さになります。「とりあえず箱に入れる」が使えません
- 売れる気がする。全集・美術書・専門書は、値が付くように見えます。この「かもしれない」が判断を止めます
- 価値が分からない。古い本ほど、売れるかどうかは中身ではなく状態と需要で決まります。見た目では判断できません
- 親の仕事や趣味そのものである。ほかの家財と違い、捨てることが人格を否定するように感じられることがあります
先に見積もるのは冊数ではなく重さ
本の片付けで最初にやることは、数えることではありません。どうやって家から出すかを決めるために、量の感覚をつかむことです。
| 見るところ | 何のために見るか |
|---|---|
| 本棚の段数と、詰まり具合 | おおよその量。「棚何本ぶん」で数えると業者に伝えやすい |
| 置いてある階 | 2階の書斎は運び出しの手間が一段上がります。見積もりにも効きます |
| 床の状態 | 本が床に直接積んである場合、下のほうが湿気で傷んでいることがあります |
| 本棚そのもの | 本棚は家具として別に処分が要ります。本だけ片付けても、棚が残ります |
段ボールに詰めるときは、小さい箱を使ってください。大きい箱に本を詰めると、持ち上がらないか、底が抜けます。これは当日いちばん起きる失敗です。必要な資材は 実家の片付けに、何を持って行くか にまとめています。
4つの出し方に分ける
1冊ずつ「いる・いらない」で分けると止まります。先に、家からどう出すかで4つに割ってください。
- 売る。まとまった量があり、需要のありそうなもの。宅配で送る方法と、家まで来てもらう方法があります
- 古紙・資源として出す。いちばん量をさばけますが、手間と回収日の縛りがあります
- 業者にまとめて任せる。片付け全体を頼むなら、本もその中に入ります。いちばん早いのはこれです
- 持ち帰る。手元に残すもの。ここは冊数の上限を先に決めてください。「箱2つまで」のように決めると進みます
売れる本と、売れない本
ここは期待と実際がいちばんずれるところです。「古い=価値がある」ではありません。
- 値が付きやすい傾向:状態のよい専門書・技術書、まとまった数のある分野もの、需要の続いている趣味の本
- 値が付きにくい傾向:日焼け・シミ・においの強いもの、書き込みや蔵書印のあるもの、一般的な文庫や雑誌、内容が古くなった実用書
- 百科事典・文学全集は、量のわりに評価されにくいことが多いものの代表です。ここで「そんなはずはない」と止まる方がとても多い
売れるかどうかを1冊ずつ調べ始めると、片付けが止まります。まとめて見てもらい、値の付かないものはそのまま処分に回すほうが、結果として早く終わります。誰に頼むかは 実家の片付けで出たものを売るなら、誰に頼むのか に、売ることと捨てることの順番は 実家じまいの不用品は「捨てる」前に「売る」 にまとめています。
古紙で出すときの手間
量をさばくなら古紙が確実です。ただし手間があります。
- 縛る作業が要ります。ひもで束ねる形を求められることが多く、この作業だけで半日かかることがあります
- 回収日が決まっています。週1回・月2回など地域で違い、片付けの日程と合わないことがあります
- 1回に出せる量に上限があることがあります。大量に出すと持って行ってもらえないことがあります
- 出せないものがあります。においの強いもの、濡れたもの、粘着のあるものなど。基準は自治体ごとに違います
回収の方法・分け方・出せる量は、必ずその自治体の案内で確認してください。 自治体に出すか業者に出すかの判断そのものは 実家の片付けで出たごみは、自治体と業者のどちらに出すべきか にまとめています。
寄贈は、思ったより通りません
「捨てるくらいなら、どこかで使ってほしい」——これはよく出てくる希望です。ただ、実際にはうまくいかないことのほうが多いのが現実です。
- 図書館には受け入れの基準があります。すでに所蔵しているもの、内容が古いもの、状態のよくないものは受け取られません。「寄贈は受け付けていない」ところもあります
- 施設や学校も同様に、置く場所と管理の問題があります
- いずれも、持ち込む前の確認が必須です。持って行ってから断られると、その場から自宅へ持ち帰ることになります
寄贈を考えるなら、片付けの日程とは切り離してください。確認と調整に日数がかかるため、当日の作業に組み込むと止まります。
書斎から出てくるのは本だけではない
書斎を開けると、たいてい本以外のものが一緒に出てきます。ここは分けて扱ってください。
- 仕事の書類・顧客名簿・契約書の控え。個人情報が含まれるものは、古紙にそのまま出さないでください。細断するか、溶解処理に対応した方法で出します
- 通帳・証書・各種契約の書類。これは処分の対象ではありません。いったん全部集めて、家族で預かる人を決めてください
- 写真・手紙・日記。本とは判断の性質がまったく違います。同じ日に一緒に決めようとしないでください(実家の写真・アルバム・手紙をどうするか)
- 本棚の奥・押入れの上。本の裏に別のものが入っていることがあります(実家の押入れと天袋は、最後に回すと詰みます)
よくある質問
本だけを買い取ってもらうことはできますか。
できます。宅配で送る方法と、家まで来てもらう方法があります。量が多い場合や、階段での運び出しがある場合は、来てもらうほうが現実的です。対応の可否・条件は業者ごとに違うため、依頼前に確認してください。
全集や百科事典は、やはり売れませんか。
値が付きにくい傾向はあります。ただし状態や需要で変わるため、「売れない」と決めつけて捨てる前に、まとめて見てもらうほうが確実です。1冊ずつ調べるのは、時間に対して見合いません。
親が「捨てるな」と言っています。
本は、持ち主にとって仕事や人生そのものであることがあります。全部を一度に決めようとせず、「残す箱の数」を先に決めるやり方が現実的です。捨てる話から入らず、残すほうから決めます。
本棚はどう処分しますか。
本棚は家具として扱います。自治体の粗大ごみに出せる場合と、大きさや素材で出せない場合があります。本を出し終えてから、家具としてまとめて判断してください。
どこから手をつければいいですか。
書斎は最初の部屋には向きません。判断が重く、量も出るためです。部屋の順番の考え方は 実家の片付けは、どこから手をつければいいのか をご覧ください。
本や書斎の片付けで手が止まっている場合は ご相談の窓口 からお気軽にお問い合わせください。
ご状況をうかがって、進め方と費用の目安をお伝えします。
